2025年4月に開幕した大阪・関西万博も、いよいよ10月13日(月・祝)の閉幕が迫ってきました。数多くのパビリオンが立ち並ぶ中でも、ひときわ目を引くのが「チェコパビリオン」です。
外観を覆うボヘミアンガラスのきらめきや、館内を巡る螺旋状の回廊、屋上から眺める絶景とともに味わえる本場のチェコビール――。
ここでしか体験できない魅力が詰まっています。所要時間はおおよそ30〜40分程度。
この記事では、実際に訪れた私の体験をもとに、チェコパビリオンの見どころや楽しみ方を詳しくご紹介します。閉幕直前の駆け込み来場を考えている方はもちろん、万博終了後にチェコや他国の文化に興味を持つ方にも役立つ内容です。

チェコってどんな国?
チェコ共和国は中欧に位置する歴史と文化が豊かな国です。首都プラハを中心に中世の街並みや世界遺産の城、教会が点在し、訪れる人々を魅了します。
音楽や美術の分野でも名声が高く、作曲家ドヴォルザークやスメタナ、画家アルフォンス・ミュシャなど、数多くの文化人を輩出してきました。チェコはビール大国としても知られ、ピルスナー発祥の地であることから観光客にも人気です。
食文化では、クネドリーキやグラーシュ、トルデルニークなどの郷土料理が楽しめます。さらに、ボヘミアングラスや手工芸品なども有名で、街歩きやグルメ、芸術鑑賞を通して多彩な体験ができる国です。
中欧の中心に位置するため、ドイツ、オーストリア、ポーランド、スロバキアへの旅行の拠点としても便利で、観光と文化の両方を満喫できる魅力あふれる国といえます。

チェコパビリオンのテーマと外観

大阪万博のチェコパビリオンのテーマは「人生のための才能と創造性」現代的な建築技術と伝統的な手工業を融合させた構造になっています。建物は最新の木材建築技術「CLTパネル」を使用しつつ、外観を覆うのは220枚のボヘミアンガラス。太陽光を浴びるとガラスがキラキラと輝き、まるで現代美術館のような雰囲気を放っています。
外から見ても一際目立つ螺旋状の回廊は、歩きながら展示を楽しむことができる設計で、チェコの芸術や文化を五感で感じられるよう工夫されています。
館内展示|ボヘミアンガラスと現代アートの世界

館内に入ると、まず圧倒されるのがチェコを代表する現代アーティスト、ヤクブ・マトゥシュカ氏による全長250mもの壁画です。螺旋状の回廊を歩きながら鑑賞することで、まるで作品の世界に入り込んだかのような没入感が味わえます。
さらに、チェコが誇るガラス作家の作品や、2016年に同国で発見された「亜化石オーク」の展示も必見。最終氷期を生き抜いた木の年輪を直接触れる体験は、歴史や自然の息吹を感じさせてくれます。
中でも心に残ったのは、天井から吊り下げられた巨大なウランガラスの薔薇。UVライトの下で幻想的に輝く姿は、まさにチェコ工芸の神髄といえるものでした。
余談ですが、今や貴重となってしまいそうなサインがありましたので、共有しておきます💦
内閣総理大臣 石破 茂氏のサインです。


屋上レストランとチェコビールの魅力

展示を堪能した後は、ぜひ屋上レストランやバーへ足を運んでみてください。ここでは、チェコならではの注ぎ方で楽しむ3種類のビールが提供されています。特に「ミルコ」と呼ばれるスタイルは、ほとんどが泡でできており、口に含むとまろやかで新鮮な味わいが広がります。
私が訪れた際は「ピルスナーウルケル」をいただきました。キャッシュレス決済のみで、価格は1杯あたり1,200円前後。暑い中で飲む本場のチェコビールは格別で、並んでも飲む価値があると実感しました。


また、レストランではダンプリングなどの伝統的なチェコ料理や、モラヴィア地方の白ワインも味わえます。特に夕方以降は会場全体がライトアップされ、絶景を眺めながら乾杯できる贅沢な時間を過ごせます。



コンサートホールと文化イベント
チェコパビリオンの2階には、らせん状の座席を備えたコンサートホールがあります。週末を中心に、ジャズ演奏やバレエ、人形劇などが上演され、チェコの豊かな文化を肌で感じることができます。
音楽と芸術を融合したこの空間は、ビールやガラス工芸とはまた違った角度からチェコの魅力を伝えてくれます。
ミュシャとチェコの芸術文化


チェコを代表する芸術家といえば、アルフォンス・ミュシャを忘れてはいけません。アール・ヌーヴォーを象徴する彼の作品は、華やかで優美なデザインが特徴で、世界中にファンを持ちます。晩年には祖国チェコで民族的な大作「スラヴ叙事詩」を描き、今もなお国民的な芸術家として愛されています。
チェコパビリオンのガラス装飾や展示作品に触れると、自然とミュシャの芸術と重なる部分が見えてきます。芸術と手工業が一体となった空間は、まさにチェコという国の魅力を凝縮した場所といえるでしょう。
チェコパビリオンの回り方と所要時間

私が実際に訪れた際は、午後3時ごろに並び、入場まで約30分かかりました。館内の展示をゆっくり見て回ると30〜40分ほどの滞在時間になります。
また屋上でビールを楽しむとさらに滞在時間は長くなりますので、前後のスケジュールには余裕を持った方が良いですね。さらに週末や夕方はさらに混雑するので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
万博閉幕後の楽しみ方とカナダパビリオンとの比較
大阪万博は2025年10月13日(月・祝)で閉幕しますが、チェコパビリオンで味わった感動は、その後チェコという国そのものに興味を持つきっかけになるはずです。美しい街並み、ボヘミアングラス、そして芸術文化を体験する旅を計画する人も増えるでしょう。
また、万博で「芸術性の高い展示」を楽しみたい方には、カナダパビリオンもおすすめです。カナダは多文化共生や自然との共存をテーマにした展示で、チェコとは違った魅力を発信しています。閉幕後も、チェコやカナダといった国々の文化に触れることで、万博の思い出をさらに広げていけるでしょう。
Q&A|チェコパビリオンについてよくある質問

Q. 大阪万博でチェコのビールはいくらでしたか?
A. ピルスナーウルケルなどのビールは1杯あたり1,200円前後で提供されていました。キャッシュレス決済のみ対応です。
Q. 万博でビールが飲めるパビリオンはどこですか?
A. チェコパビリオンのほか、ドイツ館やベルギー館など、一部のヨーロッパ系パビリオンで本場のビールを楽しむことができます。
Q. 大阪万博のチェコパビリオンのテーマは?
A. テーマは「人生のための才能と創造性」です。ガラスや芸術文化を通じて、チェコの伝統と現代を融合させた展示が行われています。
Q. 万博 チェコ館 には何がある?
A. ボヘミアンガラスの展示、螺旋状の回廊、現代アート、巨大なウランガラスの薔薇、屋上レストランやバー、さらにコンサートホールでの文化イベントなど、見どころが満載です。
Q. チェコ館のビールはいくらですか?
A. 種類にもよりますが、平均して1,000〜1,200円程度です。ビールの注ぎ方によって味わいが変わるのも楽しみのひとつです。



万博後にも役立つ!チェコについての基礎知識Q&A

チェコでしてはいけないことは何ですか?
チェコでは、宗教や歴史に関わる冗談は避けた方が良いとされています。また、公共の場でのマナー違反(大声、ゴミのポイ捨て、公共交通機関での無賃乗車など)は厳しく見られます。さらに、チェコ人はビール文化に誇りを持っているため、粗末な扱いをする発言は嫌われがちです。
チェコは治安が良い国ですか?
チェコはヨーロッパの中でも比較的治安が良い国とされています。観光地ではスリに注意が必要ですが、夜間に危険な地域を避ければ安心して旅行できます。
チェコの首都はどこですか?
首都はプラハです。「百塔の街」と呼ばれる美しい街並みで、世界遺産にも登録されています。
チェコスロバキアとチェコは同じ国ですか?
チェコとスロバキアはかつて「チェコスロバキア」という一つの国でしたが、1993年に平和的に分離しました。現在は「チェコ共和国」と「スロバキア共和国」として独立した国家です。
チェコの人口は?(2025年時点)
2025年時点のチェコの人口は約1,060万人と推定されています。
チェコで有名なものは?
ボヘミアングラス(ボヘミアン・クリスタル)、ビール(特にピルスナー)、作曲家ドヴォルザークやスメタナ、そしてアール・ヌーヴォーの巨匠アルフォンス・ミュシャが有名です。
チェコはどんな国?
中欧に位置するチェコは、豊かな歴史と文化を持つ国です。中世の街並みが残るプラハをはじめ、美しい城や教会が各地に点在し、音楽や芸術も盛んです。
チェコの代表的な食べ物は?
「クネドリーキ」(パンのような蒸しパン)、「グラーシュ」(シチュー)、そしてビールとの相性が良いソーセージが人気です。甘いスイーツでは「トルデルニーク」という焼き菓子も有名です。
チェコの観光地は?
プラハ城、カレル橋、チェスキー・クルムロフ、温泉地カルロヴィ・ヴァリなどが定番の観光地です。
チェコはどこにある?
ヨーロッパの中央に位置し、ドイツ、オーストリア、ポーランド、スロバキアと国境を接しています。
チェコ語について
チェコ語はスラヴ系の言語で、公用語として使われています。英語も若者や観光地では通じやすいですが、簡単なチェコ語のあいさつ(「ドブリー デン=こんにちは」など)を覚えておくと喜ばれます。
まとめ
大阪万博のチェコパビリオンは、ボヘミアンガラスの美しい建築、螺旋状の展示回廊、巨大なウランガラスの薔薇、そして屋上で楽しむ本場のチェコビールや料理と、魅力が盛りだくさんです。所要時間は30〜40分程度ですが、芸術と文化を存分に体感できる濃密な時間になります。
閉幕まで残りわずか。ぜひこの機会に足を運び、チェコの芸術と食文化を体験してみてください。